「この人、なんかいいな」
初対面なのに、そう思える瞬間ってありませんか?
逆に、「うわ…この人、キツッ…」と感じるときもある。
言葉じゃない。肩書きでもない。
ふとした言動や仕草、空気の読み方、ちょっとした気遣い。
それらがまとまって、私たちは“人柄”を感じ取っている気がします。
どれだけ取り繕っても、人柄って意外とにじみ出るもの。
良くも悪くも、「あの瞬間に出てたな」と自分でも思い返すことがあります。
決して私がすごい人格者な訳じゃないクセにこんなの書くのも失礼かとは思いますが。
今回は、そんな「人柄がにじみ出る瞬間」について、私自身の体験も交えながら、少し掘り下げてみようと思います。
働く現場でわかった「人柄」は、ふとした瞬間に出ていた
飲食業界で長く働いてきた中で、「人柄ってこういうときに出るんだな」と感じた場面はいくつもあります。
特に、週末やグランドオープン、30名を超える団体予約の忙しさがピークのとき、余裕のない瞬間、トラブルが起きたとき――。
そういう時ほど、人の“素”が出るものです。
たとえば、ランチのピークで注文が集中して、キッチンもフロアもバタバタしていたある日。
アルバイトスタッフが明らかにテンパっていたときに、「大丈夫、こっちウチ片付けるから」と、スッと手を差し伸べた学生スタッフがいました。
その言い方も、表情も、ごく自然。
「助けた」というより、日常の中で普通に“支え合っている”感じがしたんです。
正直、口だけで暇な時やミーティングでは「俺がフォローするよ」と言っていざピークでは自分で手いっぱいで動かない人はたくさん見てきました。
でも、言葉よりも行動で見せてくれる人って、やっぱり信頼できます。
この「自然に助けられるかどうか」って、人柄がにじみ出るポイントのひとつだと思っています。
「ありがとう」の一言に、どれだけ心がこもっているか
忙しさが続くと、「ありがとう」の言葉すら忘れがちになります。
でも、どんなにバタバタしていても、アイコンタクトだけでもちゃんと感謝を伝えられる人がいる。
「さっきありがとうな」
「先にバッシングしてたの気づいてたよ」
「今日ずっとキッチンメンバーむっちゃ助かってるかんね」
「オーダー一旦無くなるよ!ホールカバー行くぞ!」
「今帰ったお客さんにお礼伝えといてって言われたぞ!」
たったそれだけの一言が、どれだけ心を軽くしてくれるか。
逆に、「どうせ誰も見てないし」みたいな空気が蔓延すると、現場全体がしんどくなっていく。
“ありがとう”をサラッと言える人、気づいて声をかけられる人。
これもまた、良い人柄がにじみ出る瞬間だなと感じてきました。
ミスを責めるか、支えるか。ここでも人柄が出る
誰でもミスはするし、完璧な人なんていません。
でも、ミスをした相手に対しての対応で、その人の本性が見えることがよくあります。
・「なにやってんの?」とイライラをぶつける人
・「あー…まあ、次気をつけようか」と冷たく処理する人
・「これはこうすると防げるかもな、一緒にやってみよう」と前向きに寄り添える人
私はいろんなタイプの人と働いてきましたが、やっぱり後者のような人に、人はついていきます。
これは上司でも、アルバイトでも同じこと。
数字しか見ない上司。現場を知った上で判断を変える上司。現場主体でしか考えない上司。
私は現場を知った上で判断を変える上司、と組んだが為に良い方向に向ける事を非常に学び良いチームを何度も創ることが出来ました。
ミスが起きたときに“自分がどう振る舞えるか”が、人柄の真価だと思うんです。
「余裕のある人」にこそ、人柄は表れる
精神的に余裕があるとき、人は優しくなれる。
逆に、自分に余裕がないと、他人のことを考える余地がなくなる。
私はプレイヤー時代、常に「一番動く人間であれ」と思っていました。
でも、ある時から「周りを見てフォローできる人間でありたい」に変わりました。
売上や数字だけでは見えない、人の空気や気持ちに目を向ける。
今日がダメな結果になっても良い。1か月後、結果的にみんながみんなの意見で良い判断を出来るようになっている事を見据えて、ヒトに私の時間と成績を投資する。
その余裕を持てるかどうかが、人柄に直結するなと感じています。
まとめ:人柄は、“狙って出せるもの”ではない
結局のところ、「人柄」って狙って良く見せようとしても、そう簡単にはごまかせない。
ふとした瞬間に、普段の思考や姿勢、相手への思いやりがにじみ出てしまうものです。
だからこそ、日頃からどんな考え方で動いているか、
誰のことを見て、どんな言葉を使って、何を選んでいるか――
その積み重ねが、自分という人間の“にじみ”になるんだと思います。
もし今の自分に納得いってなかったら、何かを変えればいい。
人柄は、生まれつきじゃない。いつでも変えられる。
私はそう信じています。